top of page

Manuscript -2018-

Project |01

 

Reduced variability of visual left ventricular ejection fraction assessment with reference images: The Japanese Association of Young Echocardiography Fellows multicenter study. J Cardiol. 2018 Feb 19. pii: S0914-5087(18)30019-4.

 2018年1発目は,若手心エコー医の会から計画された多施設共同研究の結果について,代表研究者の一人として書かせていただいた論文です.

 ことの始まりは3年半ほど前にさかのぼりますが,若手の心エコー医はもっと頑張らないといけない! という某大学准教授の先生から,若手のリーダー的存在である神戸大学の田中先生に指令が行き,丁度時代は若手から臨床も研究も盛り上げよう,という機運も合って10数名の若手Dr.が集い,若手心エコー医の会が出来ました.

 オリジナルメンバーとして参加させていただいたのですが,2回目くらいの会合のとき,多施設共同研究できないかな~という雰囲気になり,何をする? 簡単に出来るやつがいいね,だったら検査の質を検定するような研究だと簡単にデータが集まるよね? じゃあLVEFに焦点を絞って再現性や一致率とかの研究をしよう! となりました.ここだけの話ですが,超ざっくりした方針から,研究として体をなすようにするまではまあまあ苦労しましたが,困ったときは先人に聞けという法則から,過去の論文を読み漁り,分かっていないことを明らかにし,その甲斐もあってなんとかデータの質を高められたと思います.

 当初,JACC imagingに投稿したところ査読に回ったので皆色めき立ったのですが,以降はeditor rejectionの嵐だった気がします.JASEくらいでしょうか,他に査読してくれたのは.かのCirc Jもeditor rejectionなのには参りました(苦笑).ただ,その後に投稿したJCでは好意的な査読,迅速な結果が出て,2018年4月の心エコー図学会までに掲載されることとなりました.若手の会からの論文,適宜出せるようお手伝いしていきたいところです.

Project |02

 

Prognostic Value of Frailty and Diastolic Dysfunction in Elderly Patients. Circ J. 2018 Apr 28. doi: 10.1253/circj.CJ-18-0017.

 フレイル(Frail)という単語を皆さんご存知でしょうか.2015年くらいから急に流行ってきた言葉で,日本語に訳すと老衰,的なイメージでよいと思います.いままで老年医学でのみ語られていたのですが,特に循環器領域では大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療の適応のひとつとして,このフレイルが挙げられたことから,途端に興味が集中してきた領域です.

 フレイルと心機能で何か研究できるかな~という単純な発想から,2016年には拡張能のガイドラインが7年ぶりにアップデートされたこともあり,この流れに乗っちゃえ!というところでデータを集め始めたのがきっかけです.世界的には両者の関係についていくつか論文が出ていたため,先進性で劣ってしまいましたが,「日本人で証明した!」ということを強調して,CircJに認めてもらうことが出来ました.Mayo clinicのデータとどうちがうの? とか言われたら,そりゃ返事しにくいわ.

​ これで老年病学会にも顔を出せるかもしれません(真顔).実はまだ学会発表していないので,そのうちどこかで出せたらと思います(ESCは落ちました,これで).

Project |03

 

Right Ventricular Function and Beneficial Effects of Cardiac Rehabilitation in Patients With Systolic Chronic Heart Failure. Can J Cardiol. 2018 Oct;34(10):1307-1315. doi: 10.1016/j.cjca.2018.06.003. Epub 2018 Jun 7.

 2017年に下肢陽圧負荷中の右室機能指標が,運動耐容能と相関する論文を報告したのですが,その続報的な内容の論文です.アウトカムを心臓リハビリテーション後の運動耐容能改善においています.

 先の論文よりアウトカムがlongitudinal dataだし,いけるだろうと思っていたのが駄目だったのか(涙),JACC imaging > Circ imaging > Euro imaging > JASE > AJCとことごとく蹴られ続けました.おおむね悪くは無いんですが,心臓リハビリの効果は元の筋肉量ややる気と関係してるけどどうなの? というところが問題だったようです.

 N数の問題などもありましたが,幸いにCJCに拾ってもらいました.一般ジャーナルのほうがウケが良いのかも知れません.Editorial commentも付いたので,いいところに収まったのではないかと思っています.

Project |04

 

Left atrial functional response after a marathon in healthy amateur volunteers. Int J Cardiovasc Imaging. 2018 Nov 23. doi: 10.1007/s10554-018-1502-2. [Epub ahead of print]

 技師の平田さんは毎年1本論文を出すsuper girlですが,今年もoriginal paperを仕上げています.内容はユニークで,自身も走った徳島マラソンで12人の健常ボランティア(要するに友達)の心エコー図検査を,マラソン前後で数回計測し,心房機能の変化を評価した論文です.背景として,マラソンと心房細動発症との関係が言われており,マラソンをすると心房機能が低下するのではないかといわれている,ということがありました.

 正直,12人のN数で普通の雑誌には通らないんじゃね? という不安から,まずはInternational Journal of Cardiovascular Imagingで探りを入れて,Echocardiographyとかいってみようかと思っていたら,なんと初投稿先でreviseにひっかかり,そのままacceptまでいったという論文です.アイディアと解析の妙で勝ち取った印象です.丁寧なデータ収集は裏切りませんね.

​ マラソンネタは新聞社とかも食いつきそうですが,宣伝をうまくしていったら,マラソン心機能の第一人者みたいな顔,できませんかね?(真顔)

bottom of page