Kenya Kusunose
Tokushima Univertisy Hospital. MD / PhD
Manuscript -2013-
Project |01
Project |01 Prognostic Significance of Exercise-induced Right Ventricular Dysfunction in Asymptomatic Degenerative Mitral Regurgitation. Circ Cardiovasc Imaging. 2013;6:167-76.
初のCirculation系雑誌掲載論文.運動時の右室機能不全が無症候性僧帽弁逆流症において,予後予測に有用である事を示したもので,editor's pick upに選ばれたり,月間access数が全ての論文の中で2位を記録したりと,何かと注目を浴びた(と思う)論文です.この研究でAHA Best Science Award 2012を受賞,Cleveland Clinic Lower Award 2nd prizeも受賞しました.
循環器領域ではCirculation誌とJACC誌の米国2大雑誌があるのですが,Circulation誌は特に統計に注意が必要が気がします.JACC誌も統計レビューはあるのですが,細かい事よりも臨床的有用性を重視する傾向があるように感じました.
これも初回投稿先でaccept.日本の尊敬する先生方からもお褒めの言葉を頂いたりと,良い思い出です.
Project |02
Project |02 Biventricular Mechanics in Constrictive Pericarditis Comparison with Restrictive Cardiomyopathy and Impact of Pericardiectomy. Circ Cardiovasc Imaging. 2013;6:399-406.
Constrictive pericarditisという日本ではまれにお目にかかるかどうかという疾患に関する,strain imagingを用いた左室メカニクス解析および新たな診断指標を提案した論文です.上の論文の次の号に掲載されました.心臓MRI指標を結果に加えたり,統計解析でもmix modelを用いたりと,新たに学ぶ点の多かった論文です.2013に発行された心膜疾患のguidelineにも引用されています.
これは最初にCirculation本誌に投稿して,査読でImaging誌に回すよう指示があり,本誌の査読に返事を書いたらそのまま話が進んだ論文です.最初の修正後に,"I still find the statistical analysis section difficult to digest (despite my humble biostatistics background)."とか言われて,結局その査読者の修正指示通りに書き直した記憶があります.カッコ内のフレーズは査読の時に私も使おうかな...
Project |03
Project |03 The Interval from the Onsetof Transmitral Flow to Mitral Annular/Velocity Obtained Simultaneously by Dual Doppler Echocardiography is a Marker of Left Ventricular Filling Pressure.. JACC Cardiovasc Imaging. 2013;6:526-31.
徳島大学御用達の下肢陽圧負荷機器を用いて,新たな拡張能指標であるtime intervalをDual Doppler Systemを使い計測,同時にinvasive dataをMillar cathでとることにより,評価した論文です.日本で研究をしていた頃から,下肢陽圧負荷機器は良く使っていたのですが,学会発表レベルで論文にまとめられていなかったので,そういう意味ではreferenceになりえる論文と思います.
最初にCirc Cardiovasc Imaging誌に投稿して,reviseに行ったのですが最終的にreject.査読者は納得していたようだったのですが,後から付いた統計レビューが厳しかったので,そこが原因かなぁ,と思っています.
次に投稿したJACC Cardiovasc Imaging誌でaccept.担当Editorは米国の上司だったそうです.通った後に,おめでとう言われました.どうりでこちらの事情がわかったコメントがついていたと後から思いました."If you feel that it is not at all possible for you to increase the sample size..."ってコメントがついていて,sample sizeを増やせない事情(1st authour留学中)をなぜ察している,みたいな.世界は狭い.
Project |04
Project |04 Comparison of Three-dimensional Echocardiographic Findings to those of Magnetic Resonance Imaging for Determination of Left Ventricular Mass in Patients with Ischemic and Non-ischemic Cardiomyopathy. Am J Cardiol. 2013; 112: 604-11.
初の3Dエコー論文です.Ischemicとnon-ischemic cardiomyopathyにおいて,3Dエコーで計測した心筋重量と,心臓MRIで計測した心筋重量を比較した論文です.Myocardium scarの多いほうが両者の相関が疎になるという結論です.
CMRのwork stationを使った計測は初だったのですが,とにかく慣れないので時間がかかりました.しかもmyocardium scarの計測し直しを何度も食らって,2012年の年末年始はこればっかりでしたね.
最初にJACC誌に投稿したところ,favariteなコメントだったのにrejectを食らったので,そのコメントに返事を書いて,AJC誌に投稿したところ,Editorがなんか手書きの修正原稿を送ってきて,その指示通り直したらacceptされました.こんな流れで国際誌にacceptされることもあるんだなぁと驚いた記憶の残る論文です.
Project |05
Project |05 Left Ventricular Strain Distribution in Healthy Dogs and in Dogs with Tachycardia-induced Dilated Cardiomyopathy. Cardiovascular Ultrasound. 2013, 11:43.
基礎動物実験論文です.犬の心不全モデルを使って,心不全時の心メカニクスに迫った論文です.心機能評価法の一つであるStrain値は,正常時も左室内を均一に分布しているのではなく,ある方向性をもっていて,心不全になるとその方向性が逆転するという結果を示しています.
初発表が2013年3月のACC学会だったんですが,それより数ヶ月前から投稿を開始していたのにも関わらず,最終的に受理されたのは初投稿から1年以上後の2013年11月という,米国に来てから最長記録の難産論文でした.Phisiology paperには2誌で落とされ(日本人のeditorが付いたのに),PLOS one 誌でも落とされ,Canadaの循環器雑誌にも落とされ,JASE誌ではdenovoの末落とされ,EHJ cardiovasc img誌でも落とされ,最終的にCardiovascular Ultrasound誌に拾われました.Phisiologyの専門家はstrainが好きじゃないことが良くわかりました(苦笑).